外国人ゲストによる講演会 (令和 3 年 7 月 18 日)

本年度第一回目のイベントとなる「外国人ゲストによる講演会」をくすのきプラザに於いて実施しました。新型コロナウィルス感染状況を踏まえた府中町のコロナ対策に準じる形で、参加者数限定、除菌・消毒等の徹底に努め、15名の会員・一般参加者に御来場頂きました。

今回のゲストは、広島在住で持続可能な平和文化創設・平和教育活動に携わるNPO法人ピースカルチャービレッジ(PCV)の共同創設者、メアリー・ポピオさん(米国マサチューセッツ州ボストン出身)です。「私とヒロシマ(”Hiroshima and Me”)」との演題の下、御自身の経歴、平和活動に関わるようになったきっかけ、現在の活動拠点であるPCVの立ち上げや活動内容も含め1時間半にわたりお話し頂きました。なお、今回の講演会は、自分だけが一方的に語るのではなく、来場者の声も聞きたいというポピオさんの御希望もあり、来場者参加の形を取りました。
クリスチャン(カトリック)の家庭で育ち、イエズス会系のボストン・カレッジで国際関係・アジア研究を専攻したポピオさんは、子供のころから日本のビデオゲームやアニメに熱中したそうです。それらを通じて日本への強い関心も醸成され、大学二年生で「隠れキリシタン」歴史調査のため初来日し、長崎の地を踏むことになります。彼の地で太平洋戦争末期の日本への原爆投下について初めて知るとともに、自分のロザリオ(十字架)と同じ種類の被爆ロザリオに遭遇、これらの経験が平和希求・活動に向けての人生の転換点になったとポピオさんは語ります。

ポピオさんは、来場者の方々に「広島で好きな場所はどこか」「何故このイベントに参加したか」「最も尊敬する人は誰か」「今日の講演を聞いてどう感じたか」と問いかけ、会場からは英語と日本語を混じえ積極的にご発言頂きました。ポピオさん自身は尊敬する人として三名の被爆者の名前を挙げ、「憎しみがあると平和を語れない」という被爆者の言葉に大きな影響を受けたと語りました。

現在、IT技術と様々なアイデアを駆使して、PCVでの若い世代への平和教育と次世代リーダー育成に力を注ぐポピオさんは、自分は最早平和活動家ではなく平和教育家だとして、平和教育の重要性についても強調しました。「物事には様々な視点があること」と「正解は一つではない」ことを若い世代に学んで欲しいと語るポピオさんご自身もまだ若く、エネルギーと信念に満ちたリーダーとお見受けしました。

素晴らしい講演と来場者の積極的な参加により、充実したイベントとなりました。ポピオさんと来場者の皆様に御礼申し上げます。

 

 

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