外国人ゲストによる講演会 (令和 4年 7月 10日)

◆外国人ゲストによる講演会 (令和4年7月10日)

この講演会は今年の3月に行う予定でしたが、コロナ禍で中止になり7月開催になりました。今回ゲストとして、アメリカ合衆国カリフォルニア州出身のクリスティアン・スローン( Kristian Sloan )さんをお迎えしました。スローンさんは安芸府中高等学校で外国語指導助手(ALT)をされています。講演会の題目は「アメリカの多文化主義」でした。この題目は大きなテーマなのでご自身の家族と出身地であるサンタバーバラについて述べ、アメリカ社会の多文化主義の実例を示しますとはじめに言われました。

まず、ご家族の紹介でした。祖母はコペンハーゲン生まれで、父親の祖先はアイルランド出身でした。‘Christian’はアメリカではよくある名前ですが、‘Kristian’と書くのは珍しく‘Christian’とよく間違われるそうです。さらに、‘Kristian’はデンマークでは一般的な名前であり、‘Sloan’はスコットランドとアイルランドで見られる名前であると話されました。

次に、サンタバーバラについての紹介がありました。この町はロサンゼルスの北にあり美しい海辺の町です。町および町の多くの地名がスペイン語であり、スペイン語を話す人が多いそうです。この町の伝統的な祭りは‘Old Spanish Days’と呼ばれ毎年8月に行われることとメキシコ、スペイン、先住民の文化を祝う様子を説明されました。サンタバーバラの歴史を振り返り、このあたりにもともと住んでいた先住民のチュマッシュ族に言及されました。この地方に次にやって来たのはスペインの探検家達であり、18世紀から19世紀にかけて現在のカリフォルニア州に多くの‘mission’と呼ばれる伝道所を建てて、先住民に対する布教を行ったそうです。アメリカメキシコ戦争(1846-1848)の結果、メキシコの一部であったカリフォルニアはアメリカに含まれることになったと話されました。

最後に、多文化社会で黒人や先住民などはいまだに差別を受けたり貧困問題に苦しんでいると指摘され、このような社会の中での‘American Dream’の意義を説明されました。スローンさんのお話は興味深く有益でした。アメリカ社会の文化の多様性について知る良い機会になりました。

Posted in イベント報告.