◇外国人ゲストによる講演会(令和6年3月3日(日)13:30-15:00)

◇外国人ゲストによる講演会(令和6年3月3日(日)13:30-15:00)

府中町国際交流協会は、3月3日くすのきプラザに於いてガーナ共和国出身のパメラ・アフィ・テティーさん(Ms. Pamela Afi Tettey、広島大学大学院生)をゲストに迎え「外国人ゲストによる講演会」を実施しました。会員、非会員合わせ20名にご参加頂きました。

講演者のテティーさんは、現在、文部科学省奨学生として広島大学大学院・統合生命科学研究科に在籍、博士号を取得すべく生物資源プログラムにて研究中です。講演では「Let’s learn about Ghana」のタイトルが示す通り、出身国のガーナについて地理、国の概要に始まり、独立前後の歴史、宗教、民族構成、文化等々幅広く紹介して頂きました。アフリカ大陸には3,000以上の部族とそれに準ずる数の言語が存在すると言われますが、ガーナにはアカン系を始め8以上の部族により250を超える言語が話されており、テティーさんはガーナを含む西アフリカ地域で主流と言われるエウェ(Ewe)系に属するそうです。ガーナもアフリカの他の国々と同様、欧州列強の植民地となり奴隷貿易の拠点の一つとなる等の歴史を経て1957年に独立、共和制・大統領制を敷いています。国旗には独立闘争で流された血を表す「赤」、豊かな鉱物資源の「黄」、森林等豊かな自然の「緑」の三色の帯の中央に、アフリカの自由の道標となる「黒い星」が配されているとの説明がありました。いろいろな話の中でユニークな印象を与えたのが、ガーナでは人の名前から生まれた曜日が分かるという話でした。テティーさんがミドルネームとしている「Afi」は金曜日に生まれた女の子に付けられる名前で、男の子は「Kofi」だそうです。因みに国際的に知られるコフィ・アナン第7代国連事務総長もガーナ出身ですが、その名前から彼が金曜日に生まれたことが分かりますね。

更に、ガーナの代表的な食べ物から人々の暮らし、その一例として結婚式の様子なども紹介されました。公平性を尊び、親戚を一人残らず招待するので大人数になると言われる結婚式では、皆が大好きなダンスも踊ります。テティーさん自ら実演してみせてくれ、参加者の一人もエウェ系の人たちが躍るダンスにトライし、会場は大いに盛り上がりました。テティーさんの明るく陽気な人柄も相まって、終始楽しい講演となりました。最後の質疑応答では、参加者から多くの質問やコメントが寄せられました。

「ガーナ」という言葉を聞いたとき、日本人の私たちの多くはチョコレートやその原料であるカカオ豆の産地としてのガーナ国を連想するのではないでしょうか。確かにガーナは依然として世界有数のカカオ豆の産地ですが、今回のテティーさんの講演を通じて、ガーナという国を具体的に知ることが出来ました。アフリカ大陸の西部にあり、大西洋に面し、植民地や奴隷貿易という暗い経験を経て独立を果たし、多様な民族が共存する民主的国家、カカオ豆の他、金を特産品とし、近年では原油も重要な輸出品である国、ヤム、キャッサバ、プランテーションバナナ、トウモロコシ、米等主食が豊富で農・海産物にも恵まれ食生活が豊かな国といったように。また、日本との繋がりについて、テティーさんはガーナ大学にある野口記念医学研究所(野口英世博士はガーナで客死)について触れていました。
最後にテティーさんは、広島大学大学院では水生昆虫の飼料資源としての有効活用についての研究を進め、ガーナ帰国後は水産資源分野で活用したいと抱負を述べていました。テティーさん、大変有意義な講演を有難うございました。テティーさんの留学の成果や今後のご活躍に期待しています。

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